Akihabara and otaku in 'Mechademia Vol. 5'
01.01.2009 by Patrick W. Galbraith
1) 70年代から80年代に現れた第一世代のオタクは「おたく」と呼ばれた。90年代から、海外では「OTAKU」という言葉が定着した。カタカナで「オタク」を記すと、国際的でクールなオタクを示している。最近、メディアや政府は「オタク」に興味を持つようになった。多くの新世代のオタクは「おたく」と「オタク」を拒否し、「ヲタク」と呼ばれたいという。本稿がオタクのイメージの左右についてのものという理由で全てのオタクはカタカナで表現していく。
2) JNTO「JNTO 訪日外客実態調査2: 訪問地編」(日本の国際観光センター、2008年)
3) 森川嘉一郎『趣都の誕生:萌えるアキハバラ』(幻冬舎、2003年)
4) Kinsella, Sharon, Adult Manga: Culture and Power in Contemporary Japanese Society (Oxon, England: Routledge, 2000).
5) McGray, Douglas, “Japan’s Gross National Cool,” Foreign Policy (May/June 2002): 44-54.
6) これはもっと広く、オタクを一般化する現象に繋がる。最近は誰でもオタクになれる。マニアを始め、プチオタ、ライト・オタク、健康的なオタク、隠れオタク、オタリーマン、女性のオタクなど、普通とオタクの統合した言葉が多い。
7) 東京の路上を浄化する行為は実は明治時代からすっと続いている。下町の浅草や「あきばの原」では、大道芸は民族のエンタテインメントだった。しかし、公衆の道徳に悪影響を与えたという理由で1891年 に警察は屋台やエンタテイナーを解散させた。その後、浪花節は国民のポップカルチャーとして認識されたと指摘されている。 Hyodo, Hiromi, and Henry Smith, “Singing Tales of the Gishi,” Monumenta Nipponica 61/4 (2006).
8) 森川は、2004年に公開された「おたく:人格=空間=都市」(ヴエネチア・ビエンナーレ第9回国際建築展・日本館)の担当者であった。
9) 森川『趣都』(2003年)
10) Ibid: 14
11) 森川嘉一郎『趣都の誕生:萌えるアキハバラ』(幻冬舎、2008年)
12) 森川は、秋葉原の露呈とメイド喫茶のメディア登場と関係があり、そして秋葉原の公開は2003年3月9日に放送された番組から始まったと出張する。
13) Ibid: 268-269.
14) アキバBLOGというサイトからの情報は筆者のデータに加えることもある。http://blog.livedoor.jp/geek/
15) https://otaku2.com/articleView.php?item=16
16) http://www.akiba.or.jp/history/
17) Galbraith, Patrick W., The Otaku Encyclopedia (Tokyo: Kodansha International, 2009).
18) Murakami, Takashi, Little Boy: The Arts of Japan's Exploding Subculture (New Haven, CT: Yale University Press, 2005).
19) Ibid.
20) Galbraith, Otaku Encyclopedia.
21) Macias, Patrick, and Tomohiro Machiyama, Cruising the Anime City: An Otaku Guide to Neo Tokyo (Berkeley, CA: Stone Bridge Press, 2004): 14.
22) この説明は、雑誌「EX大衆」が強調する。それでいて、鳥取出身ガイナックスやSF作家、新井素子が「オタク」を使ってファンに真似されたという説もある。
23) 筆者の論理は、大塚英志に基づいて形成されている。70年代から80年代までは、少女は「純粋な消費者」として形成され、オタクと同じように個室に消費社会を反映している。大塚英志『少女民俗学』(光文社、1989年): 17-18
24) 例えば、大人買いである。意味は大人がシリーズ全体や複数の物を一気に購入することである。
25) オタク向け商売や社会問題の緊張は勝木諒の事件に見える。容疑者は5歳の幼女を殺害した疑いで2008年12月に逮捕された。彼は魔法少女アニメ『ふたりはプリキュア』 に夢中だったという。なぜ大人の男がそのようなアニメを見ていたかがうかがわれる。
26) 『スペースインベーダー』というゲームは1978年に日本を席巻し、1983年に発売された任天堂のファミリーコンピューターは日本のエンタテインメント業界を揺るがした。
27) 森川、『趣都』(2003年)
28) Galbraith, Otaku Encyclopedia.
29) Ibid.
30) 森川、『趣都』(2003年)
31) 渋谷、池袋、新宿など、東京の各地がアメリカ産ポップカルチャーを中心にしたので、オタク向けでマイナーな店は排除された。
32) Ibid.
33) Ibid.
34) これより、秋葉原を紹介することや舞台をそこに設定することがアニメに現れた。例えば、『アキハバラ電脳組』(1998年)である。
35) 北林謙「オタク市場の研究」(野村総合研究所、2005年)
36) 中森明夫「「おたく」の研究」『漫画ブリッコ』(1983年6月);町山智浩『おたくの本』(別冊宝島、1989年)
37) バブル経済期では、主流社会に入らない人に対して様々な呼称が存在した。新人類、根暗族、落ちこぼれなど、このような人はオタクと同じように自己中心的で捻くれていると批判された。大塚英志『「おたく」の精神史』(講談社、2004年)
38) 宮崎事件について、詳しくは、Kinsella, Adult Mangaを参照のこと。
39) Kinsella, Adult Manga: 128-9
40) 大澤真幸『不可能性の時代』(岩波新書、2008年): 87
41) http://www.akiba.or.jp/history/
42) 吉見俊哉『リアリティ・トランジット』(紀伊国屋書店、1996年):133-134.
43) 竹熊健太郎『私とハルマゲドン おたく宗教としてのオウム真理教』(太田出版、1995年)
44) Ibid.
45) バブル・パラダイムの終焉によって日本社会の覇権が弱体化されたという可能性もある。アイデンティティや文化の理想が揺らいだため、従来と違うサブカルチャー、例えばオタクは急増した。日本のアイデンティティとしての「文化」が弱い限り、仲間や想像力を与えるサブカルチャーはと強くなると考えられる。サブカルチャー人気の高まりは、オタクをはじめとしてそれを一般的な文化にまで格上げしたようである。
46) 岡田斗司夫『オタク学入門』(太田出版、1996年):8
47) パトリック・マシアス『オタク・イン・USA』(太田出版、2006年)
48) 2001年にラジオ会館の名前に「世界の」が付け加えられた。
49) http://www.kwrintl.com/library/2004/focus32.html
50) 『千と千尋の神隠し』がアカデミー賞を受賞した同年、日本のメディアはコンテンツ産業について騒ぎ立て始めた。
51) 北林、「オタク市場」
52) http://www.meti.go.jp/policy/media_contents/downloadfiles/kobetsugenjyokadai/genjyoukadai1215.pdf
53) 例えば、デジタルハリウッド大学で2006年4月28日に開催された講演を参照出来る。
54) http://kazuyandiary.blog.shinobi.jp/Entry/62/?
55) いうまでもなく、サブカルチャーをポップカルチャーにする運動には、様々な問題が潜んでいた。例えば、当時の秋葉原の最大市場、同人誌と成人向け恋愛シミュレーションゲームは、少なくとも一般には説明し難く、文化品として発信不可能であった。このような作品は暴力的性的表現が溢れ、さらに同人誌の場合ではその商品が明らかに著作権違反だからである。そこで、秋葉原に殺到したメディアは同人誌や成人向けゲームを買った人々の休憩所となっていたメイド喫茶に注目した。従って、メイド喫茶ブームが起き、秋葉原の象徴になったわけである。
56) 話そのものは2ちゃんねるで集まったユーザーによって共同で製作された。そのスレッド(人々が書き込む掲示板の一つ)があったボード(カテゴリによって分けられた掲示板の集合体)の名は、「毒男板」である。毒は「独身」のドクがかけられており、いわゆる「非モテ」男性専用の場所だった。
57) Freedman, Alisa, “Train Man and the Gender Politics of Japanese ‘Otaku’ Culture,” Intersections: Gender and Sexuality in Asia and the Pacific 20 (April 2009): 5.
58) 本田透『電波男』(三才ブックス、2005年)
59) 秋葉原訪問客急増は様々な面に現れた。2006年、ジャパンタイムズの記事によると、秋葉原の有料トイレは1ヶ月に5千人が利用しており、東京でもっとも利用頻度の高い有料トイレとなった。チチブ電気株式会社代表の話によると、彼らは90年代の不景気から缶詰おでんを販売してきたが、2007年の売り上げは毎月約1,000万円に上った。その成果を見たライバル会社はお土産用おでん缶を次々売り出し始めた。メイド喫茶は、『電車男』に登場して次第、店舗数が約十倍になり、最も人気である@ほ〜むカフェの取材依頼は689%に上昇した。 (注:メイドカフェに関する情報はhttp://cafe.maid.sc/とhttp://www.cafe-athome.com/media/2005に基づいている。)
60) 秋葉原の通称はアキバである。最近流行している言葉という訳ではなく、この呼称自体は明治時代に建立された神社の名前に由来している。
61) この行動は、「クロスプレイ」、つまり女装コスプレといい、当時の秋葉原では日常的に行われていた。.
62)
63) この調査は、NHKのテレビ番組、「Cool Japan」の2007年8月30日の放送時に発表された。
64) http://www.jnto.go.jp/eng/indepth/featuredarticles/animation/d01_akiha.html
65) ランキングでは、1位がフランス(20.6%)、2位にインド(20.4%)、3位にロシア(19.2%)という順である。2006年からアメリカとイギリスも伸びている。
66) JNTO、「訪問地調査編」
67) しかし、リピーターが多いため、平均は2.5回だという。
68) 対比についてより詳しくは、アキバマップを参照。http://www.akibamap.net/
69) この統計は、万世橋警視署の地価の上昇を見たものである。http://www.chikamap.jp/map/map.asp?plc=1310104400100001
70) データは主にフィールドノートに基づいているものであるが、アキバBLOGに掲載された記事も参照している。http://blog.livedoor.jp/geek/
71) このようなアマチュア・パフォーマーは、よく「地下ドル」と呼ばれている。
72) キャスターがポーズをとるよう頼んでから沢本は警察に逮捕されたという説もある。http://blog.livedoor.jp/geek/archives/50666053.html
73) 例えば、2008年6月9日付「夕刊フジ」の見出しで、加藤は「ロリコン」と呼ばれ、記事の中でオタクとして描写されている。
74) 秋葉原に集まっている多くの人には、宮崎の死刑は一種の見せしめだった。つまり、過去のオタクを抹消し、現在のオタクに「一人前の大人らしく振る舞え」というメッセージを伝達する。
75) このような状況は2007年6月5日付「朝日新聞」でも説明された。http://ime.nu/www.asahi.com/national/update/0605/TKY200706050286.html
76) 歩行者天国でサブカルチャーを管理することは、秋葉原に限ったことでははない。1996年に原宿では、秋葉原と同じような行為があった。当時、ファッションに興味ある若者、路上パーフォマー、タケノコ族だけでなく、失業したイランからの移民労働者も歩行者天国と代々木公園に集合していた。ごみや騒音などの以前からの訴えの上、警察は移民達が薬物を扱っている懸念があったので、移民を強制追放し、歩行者天国を中止してしまった。秋葉原と同様、原宿の路上管理は国際・社会・経済的な根拠があった。
77) 筆者のツアーは2008年からHISと提携しているため、その夏以降観光客からは不満の声が届いている。
78) JNTO「JNTO 訪日外客実態調査2: 満足度調査編」(日本の国際観光センター、2008年)
79) Ibid.
80) 秋葉原の最も正式なメディア媒体、アキバ経済新聞はデモを無視し、 秋葉原の土産と観光地に関する記事を出し続けた。逆に、オタク向けサイト、アキバBLOGはデモの全てを報道した。
81) 森川『趣都』(2008年)
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